●BMW135i鈑金塗装BMW135iクーペのオーナー様からご相談を受けたこのヘコミ・・・・

お車は新車から僅か半年・・・BMWの特徴の一つサイド上部の鋭角なプレスラインに付けられたヘコミです。

他店でもお見積りの段階でデントリペアの施工不可を突き付けられ・・・・・

当店でも何とかデントリペアで直せないかと試みましたが・・・・
このプレスライン上の裏は補強がベッタリ張り付いていてツールがまともに入りません・・・
あと10p後ろよりであれば僅かなサービスホールからツールが届きますが・・・・・・・・・
残念ながらデントリペアでお役に立てることは出来ませんでした。
余談ですが、この1シーリーズはこの様にプレスライン上のヘコミはツールの届く範囲が極端に限られますが
3シリーズはこのラインがもう少し下の位置ですので裏の補強に邪魔をされることはありません、ですのでプレスラインのヘコミも直す事が可能です(限度がありますが・・・)。
さて「デントリペア」が不可となればドア交換か鈑金塗装の出番となります。ドアを新品に交換しても塗装は新たに塗らなければいけませんので・・・・ここは鈑金と塗装の技でヘコミを無かったことに、そして塗装も限りなくオリジナルの再現をこだわりたいところです。
私自身デントリペアの職人としてのこだわりは人一倍持ってるつもりです。・・・ですのでこのクラス(大きさ)のヘコミで鈑金塗装の提案をさせて頂くのは心苦しいのですが、
車を綺麗に復活させることへのこだわりが大切であり、一番興味がある部分なんですね!!
ですのでデントリペアも綺麗に復活させる一つの方法ですし、鈑金塗装も綺麗に復活させる方法なんですね!!
鈑金塗装は完成に至るまでの工程一つ一つが非常に重要でその工程をきっちり行うためには時間も掛かってしまいます。当然その一つ一つの工程に職人技と職人魂が込められて初めてオリジナルに近付くわけですから。
鈑金塗装で失敗した人は些細な傷ヘコミは塗りたくないと思うものですが、これからご紹介する「鈑金塗装」は一味も二味も違います。
先ずは鈑金工程です

ヘコミ裏が補強で裏側からの鈑金が出来ませんので電気で瞬時に溶かした棒をヘコミに溶接して引っ張るを繰り返しパネルを元の位置に戻します。
熱が加わる作業ですから必要以上に熱を加えてしまうと錆の原因を作ってしまいますのでそうならない様に最新の注意を払って作業は進められます。

そして引き出されたパネルは御覧の様にパテが必要ないほど綺麗に元のラインに均されます。
これを通常のパテを使用した鈑金と区別するため『ならし鈑金』と呼んでいます。
メリットはパテ痩せが起こらない、パテの水分による錆の心配がないなどですがそれ以上にパネル自信が元の状態に直ることが嬉しいと思いませんか!!ならし鈑金にデメリットはありませんがこの技術を持つ職人は日本でも限られた職人さんだけです!!

下地処理も必要以上の厚塗りは何のメリットもありません。

下地処理の工程で削った分だけ下地を作る感じでしょうか!!
さあいよいよドアパネル全体の塗装です。

御覧の様にドアノブ・モール・ミラーなど面倒でもすべて一旦取り外してます。
単価を抑えるためにパーツをそのままにマスキングを選択してしまえば塗装の切れ目からやがて汚れが溜まり・・・・塗装が剥げ・・・・その前に塗装しましたとまるわかりですのでやはり可能な限りパーツは外したいところです。
丁寧な作業は細部にいきわたります。塗装の飛びで関係ない場所を塗料で汚してもいけませんよね・・・よくありがちなのがゴムの一部に塗料が付いていて塗装したな・・・とわかるもの・・・時々タイヤに塗料が散ってるなんて見かけますが・・・・


塗装でこだわりたいのが調色もそうですが隣り合うパネルとの塗装肌、再塗装の部分が隣り合うパネルとの塗装肌の違いで、色まで変わって見えますからね、そしてオリジナルにこだわりたいならこの部分は重要です。
もちろん仕上げは磨きで塗装の透明感を際立たせます!!
・・・・こんな感じであの忌々しいヘコミは無かったことに!!

些細なヘコミでここまで大掛かりな作業になってしまいますが仕上がりを見てしまうと・・・・何もなかったかのようです。
つまりオリジナルの復活です!!

映り込みもごく自然です。いやらしい鈑金塗装後によくある荒い景色の映り込み、ペーパー目、塗装のブツブツ・・・そんなことあってはなりません。

塗装肌も違和感なし・・・・ちなみに写真右側のパネルがオリジナル、左側が今回作り直したオリジナル!!

パーツは外して塗ってますのでまさに新品同様にスッキリしていますし塗装の剥がれなど気にされなくても大丈夫です。

クーペスタイルのBMW復活です!!

施工期間5日間 このドアパネルが鈑金塗装されたなんて知っているのは私と作業した職人そしてオーナー様です。
おそらくドアを当てられて修理が完了するまでの記憶を消したとすれば、何も無かったことの様に過ごせます。
でもこの経験が実は愛車との距離をグッと近付(近着)けたことにもなってるとおもいます。
それを愛着といいます!!
だからこれまでの記憶を消す必要はまったくありません、もうすぐ春です思いっきりドライブを楽しんで下さいませ!!
詳しい修理工程はこちらをチェック⇒
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